昭和56年に 中部地域で最初の ポリ塩化アルミニウムの JIS表示認定工場となり、平成19年に 現行JISマークの表示認証を取得しております。

従来の凝集剤に代わる画期的な多能性無機高分子凝集剤として、経済性、作業性、凝集効果 および 各種原排水処理に対する幅広い適応性において、卓越した性能を有しております。

精選された原料を使用し、特殊技術をもって製造される 水処理用無機高分子凝集剤です。

 性 質 

PACの主成分は、塩基性塩化アルミニウムで、一般式 [Al2(OH)nCl6-n]m で示され、水溶液中ではアコ錯体 [Al(H2O)6]3+ を有するばかりでなく、加水分解の過程で 種々の塩基性で、かつ 高い陽電荷を持つ多核錯体(ポリマー)を生成します。
一般に水処理の凝集過程では、凝集剤の添加により凝集核が生成します。水中で濁質が分散安定化しているのは、濁質表面の負電荷による反発によるものです。この負電荷をPACの持つ高い陽電荷で電気的中和をさせることにより、分散している濁質を凝結させ、凝集核を生成させます。発生した凝集核は、衝突、吸着、架橋などにより粗大フロックに生長しますが、この生長過程において PACの塩基性多核錯体 あるいは 水酸化アルミニウムの析出物が、重要な働きをしています。
このように PACによる凝集では、多核錯体(ポリマー)が重要な役割を持っています。このため、当社では PACに硫酸イオンを加え、重縮合を促進させ、また 加水分解をしやすくさせることにより、更に凝集効果を高めております。

 特 性 

  1. 強力な凝集性能
    凝集作用が極めて強力で、しかもフロックの生成が早く、大きく、重いので 沈降速度が速いため、フロックのキャリー・オーバーがなく 沈殿池などの能力を高めます。
  2. フロックの吸着性が良い
    生成するフロックは、吸着活性が高いため、硫酸アルミニウムなどに比べ、高濁度の場合などは 特に著しい効果を示します。
  3. フロックのろ過脱水性が良い
    フロックが大きく、強固なため、ろ過時にブレーク・スルーを起こさず、ろ過脱水性が良いので、処理施設のコンパクト化が可能になり、また、処理操作も容易となります。
  4. アルカリ助剤が不要または減少
    PACは塩基性塩であるため、通常の水処理の場合は、多量に注入してもアルカリ度の消費が少なく、硫酸アルミニウムの使用時のように、アルカリ助剤を使用する必要がありません。もしあっても、1/3量以下で充分です。
  5. 適性凝集範囲が広い
    凝集pH範囲は、硫酸アルミニウムなどの凝集剤に比べ、広範囲で 通常 pH 6~8の範囲で使用可能なので、台風期などの原水水質の急変に対する順応性が大で、過量注入による逆効果も きわめて少なくなります。
  6. 寒冷時にも強い
    寒冷時の低水温でも凝集効果の劣化がなく、凝集助剤を必要としません。
  7. 除色効果も大きい
    有機汚染原水、着色水に対しても、相当な除色効果があります。

 製品規格 

PAC 製品規格

※ 塩基度は、[Al2(OH)nCl6-n]m において B.V.=n/6×100(%)

 JISマーク認証 

  • 規格の番号: JIS K 1475
  • 認証の区分: 水道用ポリ塩化アルミニウム(水道用塩基性塩化アルミニウム)
  • 認 証 番 号: JQ0407011
  • 認 証 機 関: 一般財団法人 日本品質保証機構
  • 認証締結日: 2007年10月12日

 JWWA薬品認証 

  • 記 号 ・ 番 号: JWWA K 154
  •  品  名 : 水道用ポリ塩化アルミニウム
  • 認証登録番号: 薬L-15

 取り扱い時の注意 

  • 腐 食 性
    貯蔵タンク、注入ポンプ および 配管は、合成樹脂製品 または ゴム、樹脂ライニングしたものを使用してください。
    鉄、鉛は腐食しますので使用できません。ステンレス、珪素鉄も長期使用はできません。コンクリートも侵食しますので耐酸ライニングをしてください。
  • PACは原液使用を原則としてください
    PACは原液のまま御使用ください。撹拌能力が不足する場合は、計量後希釈しながら御使用ください。
    また、薬注用ポンプ容量などの都合で、一旦 貯槽で希釈して使用される場合は、一両日中に使い終わるようにしてください。
  • 硫酸アルミニウムと混合しないでください
    PACを硫酸アルミニウムなどの他の薬剤と混合しますと、反応して白色の沈殿物を生じ、効力がなくなるばかりでなく、貯蔵タンク、注入装置、配管の閉塞事故を起こすことがあります。
    他の薬剤の貯蔵タンクを転用される場合は、充分 水洗してから御使用ください。
  • 安 全 性
    PACは危険物ではありませんが、酸性液ですから 眼や皮膚に直接触れると、刺激を感じることがあります。このような場合は、直ちに多量の水で洗浄してください。

 関連規格 

既存化学物質 1-12、1-17
CAS No. 1327-41-9
JIS K 1475 水道用ポリ塩化アルミニウム(水道用塩基性塩化アルミニウム)
JWWA K 154 水道用ポリ塩化アルミニウム